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音楽の仕事をしていると、自分以外のミュージシャンはどうやって音楽と接しているか気になる時がある。そんな事頭の中で想像しても答えはでない。「じゃあ直接聞いてみよう!」の精神でインタビュー企画はじめました。

まずはiLLでもお世話になっているドラマー沼澤尚さんに話を聞いてみました。
GUEST 01

Takashi Numazawa
:中村弘二,ナカコー,iLL
:沼澤尚さん,ドラマー
:ナスノミツルさん,ベーシスト
(2009年4月 都内某スタジオにて)
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"基本とルーツ"

若い人...ていうと範囲が広いですけど、ドラムの面白い人とかいますか?  
そういうのね。えーとね。大体こっちが「面白いなー」って思ってると、自然と知り合いになるのね。たぶん好きなモノのテイストが似てたりするからじゃないのかな?だから、後で仲良くなるが多いかなぁ。クロマニヨンってかっこいいバンドがいるんだけど、ナカコーよりちょっと年上の人達かな?  
あ、はいはい。  
彼らはわりとアンダーグラウンドなHIP HOPシーンでやってたりするんだけど、彼らは自分が正に学生時代に聴いてたシュガーヒル・ギャングとかカーティス・ブロウとかの当時のHIP HOPの音楽をDJネタみたいに生演奏するのね。彼らが面白いのは、そういう自分がリアルタイムに知ってた音楽をネタっぽく扱ってるのがねー。面白いの。DJ感覚みたいな。「それ知ってるなら、これ知ってる?」って彼らに聞くと「なんすか!それ」みたいな会話になったり(笑)。リアルタイムだったから同時代に何が起きてたか知ってるから「シスコには誰がいて、ミネアポリスには誰々がー」みたいな(笑)。  
沼澤さんの聴いてきた音楽がDJネタのように解釈して、再構築されてるのが面白いんですね。  
うん、でもナカコーが不思議なのは.....77年生まれだよね?後から聴いてた世代でしょ。なのにあんまりネタっぽい音楽やらないよね?それ、すっごい不思議(笑)。  
あー(笑)。ネタっぽくしようと思えばネタっぽくできると思います(笑)。"ネタ"って割り切れれば。でも中々それはできないですね。それがあるから今の音楽があるってどっかで思ってるので(笑)。  
自分は今ブルースやロックンロールを必死でやってるけど、それってでもやっぱりリアルタイムじゃない。50~60年代だから。アール・パーマー聴いて「やべーこれ58年なの?」みたいな。これがなかったらビートルズもストーンズもクリームもジミヘンもサンタナもデッドもツェッペリンもフーもベルベッツはもちろん今生まれている音楽は一切ないわけだし。その上技術的にも音楽的にもあまりに次元が高くて、そして何よりもカッコイイし、自分は大好きだからやってるけど。 アール・パーマー
アール・パーマー

ザ・ビートルズ
ザ・ビートルズ

ザ・ローリング・ストーンズ
ザ・ローリング・ストーンズ

クリーム
クリーム

ジミヘン
ジミヘン

サンタナ
サンタナ

レッド・ツェッペリン
レッド・ツェッペリン

ザ・フー
ザ・フー

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド

iLL
iLL
うーん、僕もiLLをやってる時は、そういうの考えますね。「元を大事にしよう」みたいな(笑)。
「どこからそれがやってきたんだ?」みたいな話でしょ。
そうですね。その辺ちゃんと整理して、根本はしっかりやるけどムチャクチャな音楽っていうか(笑)。あと元々、僕は基本が好きなのかもしれませんね。だからプログレとかも、あんまり凄すぎると僕ついていけませんもん(笑)。
はははは(笑)。でもさー、やっぱり一番はじめにやった人達を超えるものが出ないってのは面白いよね。応用されてスゴいヤツってのは出てくるけど、一番はじめにやった人達には、かなわないよね。ズッシリ具合が。
あと、僕らの世代だとテクノロジーが昔より進んでるので、基本をやってた人達が苦労してやってた事をテクノロジーで補うみたいな所がありますね。別にテクノロジー批判はしないですけど。
でも面白いのはさー、テクノロジーで補って誤って出来ちゃった事が、一般にアピールする時があるじゃない?それでビジネスになったりするじゃない。それを批判する気はないけど、うーん....興味がなくなるかな。ルーツとか基本が希薄なモノって自分には全くひっかからなくなる。でもルーツとか基本に興味がない人には、もの凄くアピールできる事なんだなーっていう解釈もできるじゃない?
(笑)。えー、沼澤さんが今、好きな音楽って何ですか?沼澤さんはテクノをよく聴いてますよね。テクノ的解釈とかテクノ的発想をするじゃないですか?
好きだから。そう、CD聴いて「これドラム入ってない方がイイじゃん」って思う事よくあるよ。
ドラマーなのに、そういう発想する人って珍しくはないですか?
あー、でも普段ドラム入ってないモノばっかり聴いてるかも。うーん.....でも新譜を聴いててもドラムで「お!」って思う事が少なくなってるかも。たぶんだけどね。
ある一定の年齢になると、最新のモノは聴かなくなっていくっていうのが多くないですか?
それは逆かなぁ。「知ってないとヤバいかも?」っていう感じがあって......人のライブ見てても思うんだけど....「あー、この人は何も聴いてないから、逆に発想が豊かになってるんだ」とか、「中途半端に聴いてるからこうなるんだー」っていうのを各楽器ごとに見て思っちゃうのね。あのー、音の使い方とか......ドラムとか特にそうだから。ドラムってクラブミュージックとかにとってはスゴい危険な楽器だから......うーん...ほらベースとかもそうじゃない?シンセベースで録ったモノを弦ベースで弾くとダサかったりするじゃない?
あー、ありますね。
そうそう、ドラムってもっとそれが顕著な楽器なのね。
それ面白いですよね。それってエレクトリックな音楽の気持ち良さを理解してなきゃ、そういう発想にはならないですよね?沼澤さんのドラムって「自分が鳴らしている音」を強く意識してるように感じますね。
だから、ライブとかでバスドラの音が一個しかできないのが嫌なわけ。「バスドラの音がなー、今から変えられないんだよ、60分間」っていつも思っちゃうの(笑)。
(笑)。面白いですね。  
そう、だってVitalicのライブ見た時も......バスドラの音が変わるだけで、お客さんがアガッたりサガッたりするの。その時も「いいなー、バスドラの音変わって」とか思うの(笑)。でもPortisheadのさ、Roseland NYCのライブを見た時に「あ、頑張れば生ドラムでも、そういう事できるかも?」って思った。あれは凄い!完璧。 Vitalic
Vitalic

Portishead
Portishead
僕はあれを見た時に、"リアルタイムで生ドラムの音をデザインしてる"って思ったんです。で、後から考えて「そりゃ大変だわ」って思って(笑)。
うん、あのライブ見て"やっぱり高い技術が絶対ないとダメだ"って思った。さっき言ったアメリカ的な発想じゃなくて、ドラムっていう楽器をその音楽を表現するためにしっかりとコントロールするっていう意味で。
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